« これまでとそれから《コンピュータサイエンス専攻/スイミー》 | トップページ | 研究留学の話と最後のご挨拶《バイオニクス専攻/たか》 »

2020年1月16日 (木)

バイオセンサーとは?《バイオニクス専攻/たか》

こんにちは、たかです。

大変です。もう2020年です。ついこの間まで、6月だったのに…。時が経つのは早いですね。
研究活動をしていると本当に時間の経過が早い気がします。これと言って盛大な実験結果が示されないまま年が明けてしまいました。この事実にショックを隠し切れません。だからと言って、この1年間まったく研究をしていなかったわけではありませんが…。

さて、今年の5月頃に本BLOGで、これまでに私が行なってきた研究について紹介しました。(詳しくは5/28の「ホタルの発光で癌を見つける」をチェック!)
そこでバイオセンサー開発の研究をしていることを述べました。
では、バイオセンサーとは何なのでしょうか?高校生や学部生の方達は「聞いたことあるけど、正確には説明できない…」という人が多いのではないでしょうか。
まあ、でも文字通りです。バイオとセンサーを組み合わせたもの、つまり生物と化学センサーを組み合わせたものです。もうちょっと細かく言うと、抗体や酵素、受容体などの生体分子と検出したい物質の反応を電気シグナルに変換するデバイスのことです。

と言ってもイメージがつきづらいので、具体例を挙げましょう。
血糖値センサーはご存知でしょうか。糖尿病患者の方が使用するもので、病院だけでなく薬局でも市販されています。医師の立ち合いなしで、自宅で簡単に診断できます。

この血糖値センサーは血液中のグルコース濃度を測定するバイオセンサーです。実はグルコースセンサーは、この世に最初に開発されたバイオセンサーなのです。
このセンサーはグルコース酸化酵素またはグルコース脱水素酵素が酸素を消費してグルコースと反応する系を利用しています。酵素を電極上に固定し、グルコースと酵素の反応を電流値として測定し、グルコース濃度を評価します。

Bsta_9
原理を端的に述べ過ぎましたね笑。図は第一世代のセンサーですが、現在は酸素を介さないで、酵素反応で生じる電子を直接、電極反応に利用する第三世代のバイオセンサーが開発されています。
詳細に述べてしまうとBLOGが長くなってしまうので割愛させて頂きますね。興味がある方は是非調べてみて下さい。

バイオセンサーの世界市場は年212億ドル規模で、2024年には315億ドルにまで達すると言われています。
この市場の殆どを血糖値センサーが占めています。それは年々、糖尿病患者が増え続けていること、グルコースセンサーを使えば誰でも簡単に診断できるためでしょう。
一方で、癌は血糖値診断のように在宅で誰でも簡単にその場で診断することは出来ません。癌診断にも、グルコースセンサーのように市販されていて、気軽にその場で使用できるセンサーがあれば、癌の超早期発見につながり、適切な治療を早期に受けることが可能になるはずです。市場規模も血糖値センサーほどになるでしょう。

私は癌のバイオマーカーとなるDNAメチル化を定量するバイオセンサーを開発することを目的としています。ある酵素の酸化還元反応を利用して電気化学的にDNAメチル化を測定しようと研究しています。
本研究が実現すれば、DNAメチル化を測定できる小型センサーが開発されて、在宅用の癌診断機器に応用できるかもしれません。

研究活動は上手くいかないことが殆どです。私も毎回「今回こそ…!」と良い結果を期待しながらデータ解析しますが大体不発かまあ0.5歩進んだかな?という程度です。悲しい。
ですが、それでも実験データを見て考察し、学会で発表してディスカッションし、自分の未だ知らないことを見つける。時にはそれが世界的に未だ解明されていないことかもしれない。それを追求することが研究の楽しさだと思います。

以上、今回は自身の研究について少しだけお話をさせて貰いました。
次回のBLOGが最終回になりますが、よろしくお願いします!

|

« これまでとそれから《コンピュータサイエンス専攻/スイミー》 | トップページ | 研究留学の話と最後のご挨拶《バイオニクス専攻/たか》 »

バイオ・情報メディア研究科」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« これまでとそれから《コンピュータサイエンス専攻/スイミー》 | トップページ | 研究留学の話と最後のご挨拶《バイオニクス専攻/たか》 »